輻射熱で本当に冷暖房できるの?

輻射熱は目に見えないため、その効果を言葉で説明しても分かりづらいかもしれません。

しかし、輻射熱はけっして特別なものではなく、日向ぼっこで体がポカポカしたり、洞窟の中に入ってひんやりする感じも輻射熱によるものです。

今回は、輻射熱がどのように室内を暖めたり、冷やしたりするのか?、輻射熱は人にどのような影響を与えるか?について解説します。

輻射熱を知る

輻射熱は人の目には見えず、分かりにくいかもしれませんが、身近に存在しているだけでなく、私たち自身も輻射熱を発しています。

新型コロナウイルスの流行で、非接触で体温測定できる放射体温計が一気に普及しましたが、これは人が発する輻射熱で体温を測定しています。

また、病院やデパートなどの入り口に設置されている赤外線サーモグラフィーは、輻射熱をビジュアル化したものです。

非接触体温計

輻射熱の特性

輻射熱には以下の特性があります。

  • 空気を介さずに遠赤外線を介して伝わる
  • 温度の高い方から低い方へ伝熱する
  • 光沢のある金属以外の物体は、概ね熱を輻射している = 人も輻射熱を発している!

輻射熱の性質

色は透明ですが、材質が異なるものを集め、その素材の後ろに手をかざし、赤外線サーモグラフィで撮影したら、手はどのように写るかを比較する実験を行いました。

実際の写真を見れば分かるように素材の色は透明ですから、この実験では手から発する輻射熱が素材を通り抜けるかどうかを比較することができます。

赤外線サーモグラフィによる輻射熱の透過性の実験

赤外線サーモグラフィーで見ると、素材ごとに手の見え方が異なります。赤外線サーモグラフィーで手の形がはっきり見えている場合は、手の温度を測れているということです。

一方、手の形が見えてない場合は、透明な材質(パーテーションや窓ガラス)の温度を測定していることになります。

輻射熱は透明でないものは通り抜けません。また、この実験結果から分かるように、透明な素材でも、透過するものと透過しないものがあります。

物理に詳しい方から「厳密には違う!」と怒られそうなので少し補足しますと、実は赤外線サーモグラフィーで測定している輻射熱は一部なのです。
赤外線サーモグラフィーのカメラは、通常、7.5〜13.5マイクロメートルの範囲の輻射熱を測定していますが、輻射熱はもっと広い波長を指します。
先ほどの実験では、窓ガラス越しに手の形は見えず、輻射熱は透過していないという結果でしたが、実は2〜5ミクロンの波長の輻射熱だと、窓ガラスを透過できるのです。
なぜ、赤外線サーモグラフィーが特定の波長を使っているかをもっと知りたい方は、「大気の窓」で検索してみて下さい。

どうやって輻射熱が室内を移動するか

輻射パネルから発した輻射熱が室内をどのように暖めたり、冷やしたりするのか、輻射熱が移動する仕組みについて説明します。

先にも述べた通り、輻射熱は「温度の高い方から低い方へ伝熱する」、「金属以外の物体は、概ね熱を輻射している」という特性があります。

暖房時は、輻射パネルが暖まり、その輻射熱で天井や壁や床が暖まります。さらに暖まった天井や壁や床から輻射熱で、他の壁が暖まります。

冷房時はその逆で、冷えた輻射パネルが天井、壁、床の熱を吸収し、さらに冷えた天井、壁、床が他の壁の熱を吸収することで室内を冷やします。

冷房時に輻射パネルの表面が結露するのは、パネルが熱を吸収しているからです。

ただし、断熱性能が低い建物の場合、せっかく輻射熱で天井や壁や床が暖まって(冷えて)も、その熱が外に逃げていってしまいます。ですから、輻射熱による冷暖房は建築とセットで考えて設計、施工しなければならないのです。

輻射熱が人に与える影響

空調制御できる環境試験室で、室温24℃、湿度 40%を維持し、輻射熱が人に与える影響を赤外線サーモグラフィで比較しました。

比較条件

①輻射パネルOFF(通水なし)状態と、輻射パネルON(暖房時 50℃の水温を同一流量で通水)

②輻射パネルOFF(通水なし)状態と、輻射パネルON(冷房時 7℃の水温を同一流量で通水)

通常は、輻射パネルONにし冷温水を流すと、輻射パネルからの輻射熱によって室温や湿度が変化しますが、試験室内の空調を制御し、常に同じ室温と湿度に保っているため、輻射熱が人に与える影響のみを観察することが可能になります。

輻射熱が人に与える影響

実験結果

輻射パネルOFFの状態では、人の体温に大きな変化は見られないものの、輻射パネルONの状態では、暖房時も冷房時も、人の体温に変化が見られ、輻射熱によって体が暖められて(冷やされて)いることが分かりました。

まとめ

日本では、冬の暖房は色々な選択肢があるものの、夏の冷房といえば、ほぼエアコン一択、エアコンの普及率が突出しており、エアコンのような風による冷暖房で体調を崩したり、ストレスを抱えていながらも、今までの空調の概念では「風」が当たり前でしたから、我慢するしかなかったかも知れません。

しかし、これからは違います。風の出ない、輻射熱による冷暖房システムは大きく注目されるようになり、弊社が開発した温度ムラや送風による身体的ストレスから人々を解放するF-CONは、その快適性が高く評価され、住宅のみならず、病院や公共施設にも導入されています。

F-CONの仕組みや特徴について、詳しくはこちらをご覧ください。

「エアコンが苦手」というお客様も、F-CONを導入したことで「毎日快適に過ごすことができて嬉しい!」など、たくさんのお喜びの声をいただいております。

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「実際はどうなのか、自分にあうかどうかわからない・・・」といったお客様の声に応え、弊社ではF-CONモデルルームで無料体感会を開催しております。一度、体感いただければ、「輻射熱ってこういうことか!」とご納得いただけると思います。

もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせいただきますか、全国各地のモデルルームでF-CON無料体感会を開催しておりますので、ぜひお越しくださいませ。

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