乾燥は、湿度が低いだけではない?

寒くなってくると喉がイガイガしたり、肌荒れなどのトラブルが起きやすくなりますが、その原因は「空気が乾燥しているから」とよく言いますよね。

しかし、喉の痛みや、肌トラブルをもたらす原因とされる「乾燥」は、単に湿度が低いからだけではなく、色々な意味合いで使われていることにお気づきでしょうか。

空気が乾燥している状態とは

一般的に「空気が乾燥している状態」とは、湿度が低い状態のことを指します。湿度とは、空気中に含まれている水分の量を割合で表した数値です。

気象庁の天気予報では、「乾燥した空気」は目安として湿度がおよそ50%未満の状態とし、逆に「湿った空気」の目安は、湿度がおよそ80%以上の状態のことを指しています。

では、冬に喉や肌など体にトラブルをもたらす「乾燥」とは、湿度の低さ以外にどのようなものがあるのでしょうか。

体調不良の引き金となる「乾燥」とは

一言で「乾燥」と言っても、体調不良の引き金になる「乾燥」は環境や、気象条件など状況により異なります。

  • 直風が体にあたり続けることによる乾燥
  • 寒暖差
  • 湿度が低い状態

では、1つずつ詳しく説明していきます。

直風が体にあたり続けることによる乾燥

ずっとエアコンの吹き出し口の近くにいると風が直接体にあたって、喉が渇いたり、肌が乾燥してかゆくなったりしますが、これは風が肌や粘膜などの水分を吹き飛ばしてしまうのが原因です。

これは洗濯物が乾く仕組みを考えると分かりやすいでしょう。

洗濯物はなぜ乾くのか?

  1. 衣類に含まれる水分が蒸発し、表面に水蒸気の層を作る
  2. 水蒸気の層を風が吹き飛ばし、表面が乾燥した状態になる
  3. 再び衣類内部の水分が表面に新しい層を作り、また風が吹き飛ばす
  4. 1~3の繰り返しによって洗濯物が乾く
洗濯物が乾く仕組み

濡れた洗濯物が乾くように直風が体にあたり続けると、無自覚のうちに、皮膚や粘膜、呼気などから水分がどんどん失われていきますので注意が必要です。これは冬だけでなく、夏でもエアコンの近くにいれば起こる可能性がありますので、意識的に水分を摂取することを心がけましょう。

寒暖差

季節の変わり目にはニュースや天気予報で、「寒暖差に注意しましょう」といった話題を耳にする機会が多くなります。それは寒暖差も体の不調を引き起こす原因となるからです。

<寒暖差のパターン>

  • 1日の中での最低・最高気温の差
  • 前日と当日、週単位での寒暖差
  • 室内外の寒暖差 ※冷暖房の効いた部屋・電車の車内なども含む

では、寒暖差が体にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。

肌トラブル

なぜ寒暖差によって肌トラブルが起きるかというと、お肌の潤い酵素が減少し、肌のバリア機能が低下するからです。

  1. 寒暖差によって、「カスパーゼ14」というお肌のバリア機能の形成と潤いを作る酵素が減少
  2. お肌が本来持っている、自ら潤おうとする力が不足(肌のバリア機能低下)
  3. 肌内部の水分が逃げやすくなる →乾燥
  4. 黄砂や花粉、紫外線など外部刺激が肌内部に侵入しやすくなる →肌荒れ

喉の痛み

喉の痛みは、喉の粘膜が「炎症」を起こしている状態です。

どうして寒暖差で喉が痛くなるのかというと、

  1. 寒暖差による気温や気圧の変化で、自律神経のバランスが乱れる
  2. 自律神経の乱れによって体の免疫力が低下
  3. 外部から細菌やウイルスが侵入しやすくなる
  4. 外部から侵入してきた細菌やウイルスと戦うための防御反応
  5. 喉が「炎症」を起こす

人間の体内には無数の神経があり、その中で内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールしているのが「自律神経」です。気象病といわれる「寒暖差アレルギー」「寒暖差疲労」自律神経の乱れが一因となって起こる症状です。

寒暖差アレルギー
医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれ、1日の寒暖差が7度以上になると鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状が出やすくなるのが特徴。寒暖差アレルギーの原因はまだ明らかにされていませんが、一因として自律神経のバランスが関係していると考えられています
引用元:沢井製薬「花粉症でも風邪でもない?その症状、寒暖差アレルギーかも

寒暖差疲労
気温の寒暖差が大きいことにより自律神経の機能が乱れ、体が疲れることを「寒暖差疲労」といいます。体が寒暖差に慣れていない、ストレスが強い状態、さらには生活習慣が乱れている場合に自律神経が特に働きにくく、寒暖差疲労が起こりやすいと考えられます。
(身体的症状)肩こり・頭痛・めまい・腰痛・不眠・食欲不振・便秘・下痢・むくみ・倦怠感
(精神的症状)イライラ・不安・気分の落ち込み
引用元:小林製薬「その疲れ、「寒暖差疲労」かも?

湿度が低い状態

一般的に空気が乾燥している状態のことを指し、湿度が減少し空気が乾燥することを「相対湿度が下がる」とも言います。天気予報などで使われる湿度50%は、相対湿度と呼ばれる数字です。

絶対湿度と相対湿度

【絶対湿度】空気中に含まれる<水蒸気の自体の量>を表し、温度が変わっても変化しません。

【相対湿度】空気中に含まれる<水蒸気の割合>を表し、温度によって変化します。これは温度が高い方が、空気中に含むことが可能な水分量が多いためです。

例えば、屋外の気温12℃、相対湿度100%の冷たい空気が室内に入り、気温22℃に暖められられると、相対湿度は55%まで低下します。相対湿度が100%→55%に下がると、空気が乾燥した印象を受けるのではないでしょうか。

屋外の温度がさらに低下し、屋外と室内の温度差が広がれば、さらに乾燥することになります。

結露

窓に結露が出来る理由は、同じ室内でも窓の周辺は周囲と比べて室温が低いからです。さらにガラス窓や金属サッシなどは熱を通しやすいため、窓を閉めていても熱を外に逃がしています。

室温20℃、湿度60%の部屋の窓際の空気が冷えて10℃になると湿度が100%となり、それ以上、空気は水蒸気を含むことが出来なくなります。

さらに冷えると、余った水蒸気(気体)は、水滴(液体)と熱として空気から放出され、結露となるのです。

つまり、結露によって空気中から水分が失われる=空気が乾燥することになり、結露の防止は空気の乾燥対策にもつながります。

窓の結露

快適な住環境を作り上げるには

室内の空気の乾燥防止のため、加湿器を使用したり、洗濯物を部屋干しするのが効果的だと言われていますが、その大前提として家の隙間を極力なくすことが重要です。

気密性

住宅の気密性とは、家の隙間を減らして外気の侵入を防ぐ、密閉性の高さを示す言葉で、隙間の少ない家=気密性が高い家となります。

気密性能

気密性能は、相当すき間面積(C値)で表します。C値は延床面積あたりの隙間の面積の割合であり(単位: ㎠/㎡)、値が小さければ小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことになります。

例えば、延床面積40坪(約132㎡)の場合、C値が2.0なら隙間面積は264㎠(はがき約1.8枚相当)、C値が0.5なら隙間面積は66㎠(はがき約0.5枚相当)です。

なぜ家の隙間をなくす=気密性を高めることが重要かというと、隙間だらけの家で加湿器を使ったとしても、加湿した水蒸気が隙間から逃げてしまったり、逆に室内の湿度がちょうど良くても、隙間から湿気を含んだ外気が侵入してきたりして、室内の湿度を快適に保つことが難しくなるからです。

また、気密性が低い家は外気の影響を受けやすく、「夏は暑く、冬は寒い」家になってしまうだけでなく、家の隙間から湿気を含んだ空気が壁や屋根の内部に侵入し、結露が発生しやすくなります。

さらには、湿ったままの状態が長く続いたり、結露が繰り返されたりすると、壁内にカビが発生し構造木材を傷めてしまったり、断熱材の劣化を招いてしまいます。

加湿器

断熱性と気密性

断熱性とは、建物の外壁や内壁部分に断熱材を入れて、外気温の影響を遮断する性能のことを指し、夏は涼しく、冬は暖かい家にするためには、断熱性能を高めることが重要です。

しかし、断熱性能を高めただけでは、夏は涼しく、冬は暖かい家にはなりません。

どんなに保温性の高い容器に温かいスープを入れても、蓋があいたままだとすぐに冷えてしまいますよね。蓋をして容器を密閉することで保温性が維持されるわけです。

住宅も同じで、どんなに高性能な断熱材を使用していても、隙間があれば、そこから外気が入り込んできて快適性が崩れてしまいます。

保温容器

新築物件などで「高気密、高断熱の家」と気密性と断熱性をセットで宣伝しているのにも意味があって、住宅においては断熱性と気密性をセットで考え、両方の性能を高めることが、快適空間の実現につながるのです。

まとめ

今年の冬も、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行の可能性が指摘されています。

湿度が高いとウイルスは水分によって重みを増し地面に落下しやすく、空気中を漂う時間が短くなりますが、「空気が乾燥している」とウイルスが空中を漂う時間は長くなり、人と人との間で飛沫感染が起こりやすくなります。

F-CONは完全無風の冷暖房システム

F-CONは輻射熱を利用した完全無風の冷暖房システムで、冷房時は冷水で輻射パネルを冷やし、室内(天井・壁・床)の熱を奪い、暖房時は温水で輻射パネルを温め、室内(天井・壁・床)を温めることで、人が暑い寒いと感じる体感温度を調整しています。

完全無風のため、エアコンと違って風によって室内のホコリやウイルスを巻き上げることはありません。

F-CONは高気密、高断熱住宅との相性が◎

F-CONの効果を存分に引き出すためには、建築の温熱環境の設計とセットで考えることが必要不可欠で、建物の気密性や断熱性を高めて天井・床・壁面の表面温度を保ち、その上で輻射熱を用いて心地良い室内環境を整えていきます。

ですから、気密性、断熱性が低い建物の場合、せっかくF-CONからの輻射熱で天井や壁や床が暖まって(冷えて)も、その熱が外に逃げていってしまいますのでF-CONは不向きですが、高気密、高断熱住宅とF-CONの相性は非常によく、輻射熱のメリットを存分に体感いただけます。

その他のF-CONの特徴やメリットはこちらをご覧ください。

F-CONは新築、中古、リフォーム物件のすべてに対応、戸建て住宅だけでなく、マンションにも導入可能です。輻射パネルはバリエーション豊富でお部屋や予算に合ったデザインもご提案しています。

F-CONの導入事例、お客様の声はこちらをご覧ください。

F-CONのご興味のある方は、弊社までお気軽にご相談いただくか、ぜひ無料のF-CON体感会にお越しになってみてください。

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